理解することと、全体像を掴むこと

池谷裕二『記憶力を強くする』によると、脳には、連合性という性質があり、物事を関連させると、閾値より弱い刺激でも長期増強が起き、覚えやすいという。

これは、前に書いた、オペラント条件付けで、ネズミに違いの小さなものを学習させるには、まず大きなものを学習させる必要があるという、本書で紹介されている研究とつなげて、活用することができる。

つまり、まず、大きく全体像を覚えて、そのあとに、細かいことを、全体像に関連させて覚えていけば、記憶に残りやすいということになる。
まず、基礎を固めて、その後に、応用をやるという勉強法が、有効な理由でもある。
また、本書で述べられているように、理解するというのは、関連付けるということと同義であるから、理解重視の学習が、記憶に残りやすいという定説を、支持する話ということにもなるし、同時に、理解するには、まず基礎、全体像を押さえていることが有用である、ということにもなる。

ただ、いくら先に基礎を固めてても、応用を学習するときに、基礎と関連付けずに学習するのであれば、その効果は期待できないだろう。

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まず、大局を知り、のちに、細部を知る

運動エネルギーにおける、速度の二乗で、世界を考える

ホリエモンチャンネルで、いわれてたけど、運動エネルギーは、
E=\frac{1}{2}mv^2
で、速度の二乗に比例するので、速度を少し速くすれば、大きくエネルギーが上がる。
これが、スナップをきかせたパンチや、ムチが強い理由だという。

物理の、無機質な数式を、身近な世界にどうあてはめられるかということの、一例としておもしろかった。

ところで、運動量は単に、mvになるが、あれは、どうなんだろうか。

まず、大局を知り、のちに、細部を知る

池谷裕二『記憶力を強くする』によると、オペラント条件付けで、ネズミに違いの小さなものを学習させるには、まず大きなものを学習させる必要があるという。

そして、池谷先生が推薦する『脳が認める勉強法』の著者、ベネディクト・キャリーは、まず、大きな仕事に取り掛かってから、小さな仕事を行うようにしている、といっている。

脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!

脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!

このベネディクト・キャリーのやり方は、オペラント条件付けで、細かいことをネズミに学習させる方法と合わせて、理解することができると思う。

つまり、まず、大きな仕事にとりかかり、その大局をとらえておくことで、のちに大きな仕事の小さな部分の理解が、容易になるという効果があるはずである。

まず、大きな仕事にとりかって、その後、中断して、小さな仕事を行うと、最初の着手段階では、大きな仕事の細かい部分は理解できないだろうが、小さな仕事を行っている間に、レミニセンスや、孵化などの、『脳が認める勉強法』で紹介される他の作用も働いて、無意識に理解が進み、再び大きな仕事に戻ったとき、細部への理解が簡単にできることとなる。

逆に、簡単にできる小さな仕事の処理から始めて、あとで、まとめて大きな仕事を処理しようとすると、全体と細部の理解を同時に行わなければならず、困難さが増すのである。

これは、『脳が認める勉強法』で、最も効果的な勉強法と位置付けられている、分散学習が、なぜそんなに効果的なのかを考えるためにも、有効な考え方の一つだと思う。
つまり、最初の学習で大きくつかむことで、二度目、三度目の学習で、細部の理解が深くなる効果がある。そして、『記憶力を強くする』にあるように、理解できたことは、記憶に残りやすいのである。

このような考え方は、精神衛生上も、役にたつ。
つまり、着手してすぐ、大きな項目を、集中して処理するぞ、と意気込むのではなく、まずはできなくても、とりあえざっとずやってみるか、というくらいの軽い気持ちで、始めるので、取り組む際のストレスが少ない。

ストレスが少なく、効果も、集中してやるより出るというのだから、悪いところが見当たらない、非常に有用な、勉強法、作業法である。要は、急がばまわれ、ということだ。

というか、上記のオペラント条件付けの実験をみると、集中して、いっきに細部まで理解して処理することは、不可能なのであり、ここでのストレスは、不可能なことをやろうとするストレスであり、まったくの無駄である。
このように、何ができ、何ができないかを、知ることは、不要なストレスを減らす、よい方法である。

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理解することと、全体像を掴むこと

燃やしても有害物質の出ないプラスチック?

■ポリエチレン
ポリプロピレン(PP)
ポリエチレンテレフタラート(PET)
■発泡スチロール
 ただし、スチレンモノマーに弱い有毒性があるとされる。
■酢酸ビニル
■アクリル
 ただし、アクリル繊維は、燃やすと有害物質が出る。

要するに、プラスチックというのは、いかにも燃やすと有毒ガスが出てきそうな見た目だけど、炭素と、水素だけで、できているものは、完全燃焼させれば、二酸化炭素や、水になるのだから、有毒ガスが出たりは、しないのではないかと、思っただけで、ちゃんと調べたわけではない。

だから、スチレンモノマーに有毒性があるとか、そういう、完全燃焼前の段階で生成される炭化水素が、有毒で、それが、飛散して…、というような、話は、ズブの素人の私の手に余る。今後、研鑽を深めていきたい。

あと、ちょっとネットで調べたところ、ペットボトルなどの燃焼熱を利用して、燃料に使えるのではないか、とかいってる人もいるようだ。
物がエネルギーを持っているということは、当たり前のことだが、再確認すると、おもしろい。というか、アインシュタインE=mc^2まで考えれば、物はエネルギー、なんだろうか。
アーサー・C・クラークの第一法則。充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。

東南アジアの王朝変遷

中国統一前

  • 紀元前4世紀ドンソン文化が始まる。

  • 紀元前3世紀秦が領域の南限に象郡を設置。

  • 紀元前2世紀武帝の時代の漢が南越国を滅ぼし日南郡や交趾郡を設置。

後漢

北東部は相変わらず中国の支配を受けるが、中国から遠い地域では独自の王朝が成立する。
1世紀には、東南アジア最初の国家が扶南が誕生し、2世紀には林邑も成立。

隋唐

  • 6世紀後半にドヴァーラヴァティー王国が成立。
  • 7世紀義浄がシュリーヴィジャヤに立ち寄る。
  • 628年真臘が扶南を滅ぼす。
  • 750年シャイレンドラ朝が成立。
  • 8世紀後半チャンパーが環王とされる。

大陸部では、6世紀、7世紀、8世紀と連続して、タイ、カンボジアベトナム中部で変化が起きる。

唐末から宋

大陸部では、9世紀、10世紀、11世紀と連続して、カンボジアベトナム中部、ベトナム北部で変化が起きる。

13世紀−モンゴルの世紀

北側がモンゴル帝国に襲われる。

ベトナム北部は当初明に支配されていた。

16世紀−ポルトガルによる侵略

ポルトガルマラッカ王国が滅ぼされ、代わりに他のイスラム諸国が繁栄した。

17世紀―オランダによる侵略

清(ただし18世紀に限る)

  • 1752年コンバウン朝が成立。
  • 1767年コンバウン朝がアユタヤ朝を滅ぼす。
  • 1778年西山朝が成立。
  • 1782年チャクリ朝が成立。

18世紀にベトナム、タイ、ミャンマーで新王朝が揃って成立する。

19世紀−英仏による侵略の時代

タイだけ近代化し、独立を保つ。

20世紀−反帝国主義運動と日本の進軍

  • 1904年ファン・ボイ・チャウらが維新会を設立し東遊運動を推進。
  • 1932年ピブーンソンクラームが立憲革命を起こす。
  • 1940年仏印進駐。

唯一の独立国タイでは立憲革命が起こり、近代化がさらに進む。

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各世紀の特徴
アジア植民地化の流れ

アジア植民地化の流れ

15世紀−インド到達

16世紀−ポルトガル及びスペインによる商業拠点の整備

17世紀−オランダの世紀及び英仏によるインド進出

17世紀までは商業拠点の獲得であった。

18世紀−イギリスの時代

  • 1757年プラッシーの戦いでイギリスがフランスに勝利。
  • 1764年ブクサールの戦いでイギリスが勝利。
  • マイソール戦争
  • マラータ戦争
  • 1785年イギリスインド会社がペナン島を獲得。
  • 1795年オランダがフランス革命軍に占領されたのに乗じて、イギリスが蘭印を占領。

17世紀に市民革命を経験したイギリスは、18世紀に入ると産業革命が起こり、植民地獲得のためインド侵略を進める。

19世紀−英仏が東南アジアや中国を侵略、日米独露もアジア侵略を開始

フランスやドイツも産業革命を経験し、植民地獲得に乗り出す。またフロンティアの消滅を受け、アメリカも対外進出を開始。

19世紀−反帝国主義運動

20世紀−独立

19世紀に増えたが植民地が、コミンテルンで結束したりして、さながら階級闘争のように。

21世紀−対テロ戦争

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各世紀の特徴
東南アジア大陸部の王朝変遷

各世紀の特徴

紀元前16世紀−インド・ヨーロッパ語族と殷大活躍の世紀

紀元前16世紀はインド・ヨーロッパ語族と殷が活躍した、「イン」の時代。
なおヒクソスは、紀元前18世紀にエジプトに侵入し、紀元前16世紀に放逐された正体不明の異民族集団だが、インド・ヨーロッパ語族だったらいいな、と。

紀元前12世紀−前1200年のカタストロフ

  • 前1190年頃ヒッタイトが、海の民により滅ぼされる。
  • 前1184年トロイア滅亡。
  • 前1155年エラムがカッシートのバビロン第3王朝を滅ぼす。
  • 前1150年頃ミケーネ文明が滅亡。

前16世紀とか、もっと昔からいた勢力が滅んだ。原因は不明なものが多い。

紀元前11世紀−滅びのあとは誕生

前16世紀に活躍した「イン」のヒッタイトが前12世紀に滅んだのに続き、前11世紀に殷も滅び、周王朝が誕生した。
また、12世紀にいろいろ滅んだ地中海東岸で、イスラエル王国が成立した。

紀元前9世紀−カルタゴ誕生

紀元前8世紀−始まりの世紀

西ではギリシャ人がポリスを形成し、ローマが建国された。
メソポタミアは、アッシリアにより初の統一が進められた。
インドでは、アーリア人ガンジス川下流域まで進出し、現在のインドの領域に重なる範囲まで広がった。

紀元前7世紀−世界初の統一の世紀

  • 前670年アッシリアがエジプトを破りオリエントを統一。

紀元前6世紀−戦いの世紀

紀元前5世紀−戦争と偉大な哲人の世紀(枢軸時代)

紀元前4世紀−ヘレニズム時代の始まり

紀元前3世紀−統一の世紀

紀元前2世紀−武帝の世紀

紀元前1世紀−ローマに強い指導者が続出の世紀

1世紀−光武帝の世紀

2世紀−五賢帝の世紀

3世紀−分裂の世紀

4世紀−民族大移動と分裂の世紀

ヨーロッパと中国の両方で、異民族が侵入し、いろんな国ができた。しかも、両方とも始まりは匈奴の行動だから、匈奴大活躍の世紀といってもいいかも。
ただし、長い間分裂状態が続いていた北インドでは、4世紀に入りグプタ朝が統一に成功しているので、分裂とは逆である。また、ササン朝も安定している。

5世紀−異民族帝国の世紀

6世紀−統合の世紀

ヨーロッパと中国の両方で、異民族王朝が、分裂した地域を再統合していく。そして、ヨーロッパは東ローマ帝国と、フランク王国、西ゴートの鼎立、中国は隋による統一の時代となる。
ただしインドは、エフタルによりグプタ朝が滅び、分裂状態になった。

7世紀−アジアで大国が誕生

突然誕生したイスラム教の勢力が、一気に中東を席巻する。

8世紀−アジアが盛り上がる

ウマイヤ朝が西ゴートを征服してイベリア半島を領有。イスラム勢力支配地域の最大版図を実現した。
一方、唐は盛唐の時代を迎えたが、やがてアッバース朝に破れ、安史の乱も始まり、衰退し始めた。

9世紀−内部分裂の世紀

フランク王国アッバース朝及び唐が、まだ滅ばないけど、ずいぶん弱体化し、内部分裂していく。アッバース朝と唐は、地方の将軍が独立していくという点でも共通している。

10世紀−いろんな国ができた世紀

9世紀に大国が内部分裂したが、10世紀にはほとんど滅び、神聖ローマ帝国フランス王国、三カリフ国、五代十国などの時代となった。

11世紀−十字軍(1)とイスラムの攻撃

農業革命などにより力を増した勢力が、アジアやヨーロッパ内で拡張していく。

12世紀−十字軍(2)と12世紀ルネサンス

13世紀−十字軍(3)とモンゴルの世紀

14世紀−オスマン帝国の攻撃(1)とペスト大流行

15世紀−オスマン帝国の攻撃(2)及び大航海時代(1)とルネッサンス

16世紀−オスマン帝国の攻撃(3)及び大航海時代(2)と宗教改革

17世紀−革命(1)と17世紀の危機

19世紀−革命(3)と反動の世紀

20世紀−世界大戦の世紀

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