理解することと、全体像を掴むこと

池谷裕二『記憶力を強くする』によると、脳には、連合性という性質があり、物事を関連させると、閾値より弱い刺激でも長期増強が起き、覚えやすいという。

これは、前に書いた、オペラント条件付けで、ネズミに違いの小さなものを学習させるには、まず大きなものを学習させる必要があるという、本書で紹介されている研究とつなげて、活用することができる。

つまり、まず、大きく全体像を覚えて、そのあとに、細かいことを、全体像に関連させて覚えていけば、記憶に残りやすいということになる。
まず、基礎を固めて、その後に、応用をやるという勉強法が、有効な理由でもある。
また、本書で述べられているように、理解するというのは、関連付けるということと同義であるから、理解重視の学習が、記憶に残りやすいという定説を、支持する話ということにもなるし、同時に、理解するには、まず基礎、全体像を押さえていることが有用である、ということにもなる。

ただ、いくら先に基礎を固めてても、応用を学習するときに、基礎と関連付けずに学習するのであれば、その効果は期待できないだろう。

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